庄内の釣り●Volume 02 庄内中通し釣法雑話編
(釣りを3倍楽しむ法〜釣り東北連載より)

クロダイフルパワー釣法

まず遠目のポイントでクロダイを掛けてからスピニングリールで巻き込む状態時は、図Aのようになっているからフルにそのパフーを発揮している。図Cと比較した場合、当然の如く大幅にダウンする訳だ。話は横道にそれるが、以前飛島釣行にて足下の水深25m程のポイントでカンダィを掛けた時、強引に大アワセをした直後ロッドを水乎に保持したまま、リールを一気にフルスピードで巻き込んだところ、それ程抵抗もなく、ものの10秒位で浮かせてしまった事がある。これはまさに図Aの状況が終始した桔果である。

この時にリールを巻く手を少しでも休めれば、図Bの状態から図Cのように魚は体勢を変えて引き込むため、カンダイ本来のビッグパワーを得られたはずだ。図Cの状態が魚にはベストな体勢のはずだから、釣られる運命のクロダイにもフルパワーを発揮させる状況を与えてこそフェアプレーといえるだろう。何も急いでリールをどんどん巻き込む必要はないのだ。

ロツドが必然的にグロダイの引き込みを図CからB、そしてAの状態に変化させる訳だから、ロッドでクロダイを制すフィーリングが面白いのだ。リールのパワーで牛耳るにはクロダイは小さ過ぎる。余分なミチ糸を巻き込む程度のリール操作が望ましい。そんな思いやりとやさしさも中通し釣法には含まれている。
話のついでだが、クロダイのパワ−とはどの程度か知っていますか?クロダイに限らず魚はその自重(体重)程のパワーはないのだ。たとえば40cmのクロダイは約1kgだが、そのパワーたるやせいぜい体重の半分で0.5kg程度である。始どの釣りの本では、魚の体重プラス引くカが魚のパワーなどと説明しているがウソなのだ。魚が自重以上のパワーを発揮するとしたら、興奮剤入りの沖アミを常食(ドーピング)しなければ不可能なのだ。それ程クロダイのパワーは軟弱なのだ。

読者で暇な人がいたら実験してみるといい。通常クロダイに使用しているロッドに1kgの負荷をかけてみると分かる。鉛なら300号だ。明らかにクロダイのパワーより強く感じるはずだ(但し、これにより万一ロッドが折損しても私は免責させていただくので念のため)。この軟弱なクロダイが変身したかのように釣り人を魅了するファイトを感じさせるのはなぜだろう。それはロッドなのだ。クロダイのパワーを数倍に増加させ釣り人を楽しませてくれるのは、やはりロッドなのだ。ならぱロッドはシンプルな物が一番。クロダイを感じ取る最適なロッド、それが中通しロッドだ。ロッドで引きを目一杯楽しもう。

しかし、無用のテクニックをピギナーに指導している人がいる。魚が引く方向にロッドを振ってクロダイのパワーをセーブする技法だ。ロッドさばきの上手な釣り人ならば絵にもなるが、グロダイクラスにはまず必要のないテクニックだ。特にビギナーはパラシの原因にもなるからやめた方がよいし、クロダイも喜ばない。

地磯でのテクニック

ポイントを選定する目安として最も期待できる諸条件を紹介するので、ビギナーの方は参考にしてほしい。
水はやや濁りぎみで波は中波程度。釣り座にサラシが生じハライ出しができる時で、その先に沈み根(水中根)等があればなお良い。濁りが生じ難い地磯の場合は、サラシによリ海中が見え難い状況の時が良く、いずれの場台も仕掛けがハライ出しに乗り直線的に出て行く時がチャンスだ。ハライ出しの強弱によりカミツブシの重さを調整し、タナを変えたリ流す距離を移動させたりする訳だが、特にハライ出しの先端や両側面でアタリの出る事が多い。

またハライ出しが強かったリ弱い時等は、釣り座の足下もポイントになることがあるので攻めてみると良い。サラシが発生しないべ夕凪の時でも、潮が動いている時には潮目や反転流付近でアタリを得られる事も多いので、知っておくと良い。
以上地磯の一般的セオリーだが、クロダイに限らず魚達は海水があるところならどこにでも泳いでくる可能牲がある。常識だけで釣っていては進歩がない。いろいろの場面状況及びタックルでトライしてみよう。

びっくり釣果の一例

ダシ風のべ夕凪時で57cmの超大型クロダイと80cmのスズキ。1m程の岩の溝からクロダイ5枚。釣り座の足下1m以内で17枚のクロダイ。水深30mの岩盤上でクロダイが乱舞、その中の一部が釣れた。カンダイ仕掛けの36番ワイヤーにクロダイ。4.5mのヘラ竿改造中通し竿で84cmのマダイ。ハリス10号使用のヘチ釣りでクロダイ大釣り等々実例は多い。
中通し釣法イコールフカセ釣りと思われがちだが、オモりの調整やロッドの長短等タックルを持ち替える事で、宙釣リ「ヘチ釣り、ぶっ込み釣り、なぎさ(浜釣リ)を含めるマルチテクニックを駆使できる事も知っっていただきたい。